1級 QC検定

12.t検定とF検定の使い分け|QC検定1級でも通用する判断のコツ

t検定とF検定の基本の違い

QC検定で頻出の「t検定」と「F検定」は、どちらもデータに差があるかを判断する検定ですが、
焦点が違います。

検定の種類比べる対象主な目的
t検定平均の差2つのグループの平均に差があるか調べる
F検定分散の差2つ以上のグループの“ばらつき”に差があるか調べる

つまり、

  • t検定:中心(平均)に注目する検定
  • F検定:広がり(分散)に注目する検定

どちらも「差があるのか?」「その差は偶然か?」を数字で説明するための道具です。


どんなときに使い分けるのか?

t検定とF検定の使い分けは、**“何を比較したいのか”**で決まります。

状況使う検定目的
2つの工程の平均を比較したいt検定工程Aと工程Bで性能に差があるか?
2つの工程のばらつきを比較したいF検定工程Aと工程Bで安定性に差があるか?
3つ以上の工程を比較したい分散分析(ANOVA)どの工程の平均が異なるか?

💡たとえば:
「工程AとBの平均寿命に差があるか?」→ t検定
「AとBのばらつきが同じか?」→ F検定
「A・B・Cのどれが異なるか?」→ ANOVA(分散分析)

検定の目的を“データの中心を見るのか・広がりを見るのか”で整理すると、一気に混乱が減ります。


具体的な例題で理解する

🧮 例題①:t検定(平均の差)

グループ平均値標準偏差サンプル数
工程A50.80.610
工程B50.00.510

1️⃣ 帰無仮説:μA=μB(差がない)
2️⃣ t値を計算 t=50.8−50.00.6210+0.5210≒3.16t = \frac{50.8 - 50.0}{\sqrt{\frac{0.6^2}{10} + \frac{0.5^2}{10}}} ≒ 3.16t=100.62​+100.52​​50.8−50.0​≒3.16

自由度18のt分布表より臨界値 ≒ 2.10
t=3.16 > 2.10 ⇒ 棄却!

📊 結果:工程AとBの平均には有意差あり。


🧮 例題②:F検定(分散の差)

グループ分散サンプル数
工程A0.3610
工程B0.2510

1️⃣ 帰無仮説:σA²=σB²(ばらつきは同じ)
2️⃣ F値を計算 F=0.360.25=1.44F = \frac{0.36}{0.25} = 1.44F=0.250.36​=1.44

自由度(9,9)のF分布表で臨界値 ≒ 3.18
→ 1.44 < 3.18 ⇒ 棄却できない

📊 結果:工程AとBの分散に有意差はなし。
→ 「ばらつきは同程度」と判断。


分散分析(ANOVA)との関係

F検定は、**分散分析(ANOVA)**の基礎になっています。
ANOVAは、3つ以上のグループを比較するときに使う手法で、
“全体のばらつきを「グループ間」と「グループ内」に分けて分析”します。

検定比較する対象数の制限
t検定2群の平均2つのみ
F検定2群以上の分散2つ以上
分散分析(ANOVA)3群以上の平均制限なし

💡関係まとめ:

t検定(平均の比較)

F検定(分散の比較)

ANOVA(3群以上の平均差を比較)

このように、**F検定はt検定とANOVAをつなぐ“中間の検定”**なのです。


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まとめ|検定を道具として使えるようにしよう

t検定・F検定は、品質管理の“分析ツール”です。
重要なのは、計算の正確さよりも**「どんな時に使うか」を理解すること**。

まとめポイント

  • t検定=平均の差、F検定=分散の差
  • t検定は2群、F検定は2群以上でも可
  • 分散分析(ANOVA)はF検定を応用した手法
  • 検定トレーナー(qc-calc)で体験しながら覚える

「理解 → 体験 → 応用」のサイクルで学べば、
QC検定2級・1級の統計問題が“数字ではなく意味”として見えてきます✨

  • この記事を書いた人

トベとブログ

ものづくり大好き会社員 釣りと3Dプリンターでのものづくりにハマり中〜 一軒家を建てる夢もあるのだとか、、、。

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