QC検定 計算問題

📘 第4章:「回帰分析(単回帰・決定係数・残差分析)」計算演習10問

🔹出題形式:記述+計算過程あり
🔹目的:相関・回帰・残差の意味を理解し、データ関係を数値化できるようにする
🔹時間目安:各問3分 × 10問(合計30分)


第1問

データの関係を一次式で表すときの回帰式の形を答えよ。

解答例:

y = a + bx
(a:切片、b:傾き)

第2問

傾き b の意味を説明せよ。

解答例:

xが1単位増加したとき、yがどれだけ増減するかを表す。
(=変化の割合)

第3問

次のデータから、回帰直線の傾き bを求めなさい。
x: 1, 2, 3
y: 2, 4, 5

解答例:

b = Σ(x−x̄)(y−ȳ) / Σ(x−x̄)²

x̄ = 2, ȳ = 3.67

b = [(1−2)(2−3.67) + (2−2)(4−3.67) + (3−2)(5−3.67)] / [(1−2)²+(2−2)²+(3−2)²]
  = [(−1)(−1.67) + 0 + (1)(1.33)] / (1+0+1)
  = (1.67 + 1.33) / 2
  = 1.5

第4問

上のデータで切片 a を求めなさい。

解答例:

a = ȳ − b×x̄
  = 3.67 − 1.5×2
  = 0.67
→ 回帰式: y = 0.67 + 1.5x

第5問

回帰式 y = 10 + 2x のとき、x = 5 のときの予測値を求めなさい。

解答例:

y = 10 + 2×5 = 20

第6問

相関係数 r = 0.8 のとき、決定係数 R² を求めなさい。

解答例:

R² = r² = 0.8² = 0.64
→ yの変動のうち64%はxで説明できる。

第7問

相関係数 r = 0 のとき、どんな関係を意味するか?

解答例:

xとyの間に線形関係がない。
(ただし、非線形な関係は存在する可能性あり)

第8問

次のデータで、残差 e を求めなさい。
観測値 y = 25、予測値 ŷ = 27

解答例:

e = y − ŷ = 25 − 27 = −2

第9問

残差がプラスとマイナスで交互に出ている場合、
どんな傾向があると考えられるか?

解答例:

直線で表しきれない「周期的な変動」がある。  
→ モデルの当てはまりが悪い。

第10問

決定係数 R² = 0.95 の回帰式が得られた。
このモデルの当てはまりをどう評価するか?

解答例:

R²=0.95 → 95%の変動が説明できる。
非常に当てはまりが良いモデルと判断できる。

✅ まとめ

指標意味
傾き bxが1増えたときのyの変化b = Σ(x−x̄)(y−ȳ)/Σ(x−x̄)²
切片 ax=0のときのyの値a = ȳ − b×x̄
決定係数 R²当てはまりの良さ(寄与率)R² = r²
残差 e実測値と予測値の差e = y − ŷ

📍ポイント

  • 「傾きb」と「決定係数R²」は必ずセットで理解。
  • 残差プロットに「パターン」があればモデル見直し。
  • 試験では「回帰式からyを予測」「bやR²の解釈」を問う問題が多い。
  • Excel分析にも活かせる実務スキル。

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