「棄却」とは何をすること?
「棄却(ききゃく)」とは、データに基づいて“仮説を否定する”ことを意味します。
QC検定では、「この製品は基準を満たしていると言えるか?」「新しい工程は前より良くなったか?」などを統計的に判断します。
つまり棄却とは、
偶然ではなく“本当に差がある”と数字で証明するプロセス
を指します。
感覚や経験ではなく、「統計的に有意」と言えるかどうかを判断することが、品質管理の本質です。
帰無仮説と対立仮説の違い
検定の出発点は、2つの仮説を立てることから始まります。
| 仮説の種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 帰無仮説(H₀) | 差はない・変化はないと仮定する | 「新工程と旧工程の平均は同じ」 |
| 対立仮説(H₁) | 差がある・変化があると主張する | 「新工程の平均は旧工程より大きい」 |
このとき、検定ではまず帰無仮説を立ててから、それを“棄却”できるか判断します。
💡たとえば:
「この部品の平均長さは50mmである(帰無仮説)」
→ データから「どうやら50mmとは言えなさそうだ」となれば
→ 帰無仮説を棄却し、「差がある」と結論づけます。
有意水準とp値の関係を理解する
「棄却するかどうか」を決めるための基準が、**有意水準(α)**です。
これは、「どのくらいの確率までなら“偶然ではない”とみなすか」という線引きです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 有意水準(α) | 判断の基準(通常0.05=5%) |
| p値 | 実際に得られたデータが偶然起こる確率 |
✅ 判定ルール
- p値 < α → 棄却(差がある)
- p値 ≧ α → 棄却できない(差があるとは言えない)
💡たとえば:
p値=0.02、α=0.05の場合、
→ 偶然でこの結果が出る確率は2%しかない
→ 「偶然ではない」と判断し、帰無仮説を棄却!
棄却・受容を判断する流れ
検定の流れは次の4ステップです👇
1️⃣ 仮説を立てる
例:「製品の平均長さ=50mm」とする(H₀)
2️⃣ 有意水準を決める(例:5%)
3️⃣ 検定統計量を計算する(例:t値)
4️⃣ p値または臨界値と比較し、結論を出す
- p値<0.05 → H₀を棄却(差がある)
- p値≥0.05 → H₀を棄却できない
🔁 QC検定ではこのプロセスを「仮説検定の基本形」として毎年出題。
特にt検定やχ²(カイ二乗)検定の流れを、図で理解しておくのがコツです。
実際の計算例(t検定)
例題:
ある工程で10個の製品を測定したところ、平均値が50.8mm、母平均が50.0mm、標準偏差が0.6mmだった。
この差は有意か?(有意水準5%)
✅ 手順
1️⃣ 仮説を立てる
- H₀:μ=50
- H₁:μ≠50
2️⃣ t値を求める t=xˉ−μs/n=50.8−500.6/10≒4.22t = \frac{\bar{x} - \mu}{s / \sqrt{n}} = \frac{50.8 - 50}{0.6 / \sqrt{10}} ≒ 4.22t=s/nxˉ−μ=0.6/1050.8−50≒4.22
3️⃣ 自由度9のt分布表より、臨界値 ≒ 2.26
4️⃣ 4.22 > 2.26 → 棄却域に入る → 帰無仮説を棄却!
結論:「この差は偶然ではない」と判断できる。
つまり、新しい工程の平均は50mmと有意に異なる。
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繰り返し練習することで、“判断の瞬間”を身体で覚えることができます。
まとめ|「差がある」を数字で説明できる力をつけよう
棄却は、QC検定の中でも「理屈が分かれば楽しくなる」分野です。
品質の違いを**“なんとなく”ではなく“数字で説明”**できるようになることが目的です。
✅ この記事のまとめ
- 棄却=「帰無仮説を否定すること」
- 有意水準とp値で“偶然かどうか”を判断
- t検定・χ²検定の流れを図で理解
- 棄却トレーナー([qc-calc])で手を動かして覚える
数字で根拠を語れるようになれば、
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