QC検定 計算問題

📘 第8章:「不良率と二項分布・ポアソン分布」計算演習10問

🔹出題形式:計算+確率解釈
🔹目的:不良発生の確率と平均発生数を理解する
🔹時間目安:各問3分 × 10問(合計30分)


第1問

二項分布とはどのような現象を表す分布か?

解答例:

同じ試行をn回行ったとき、成功(または不良)がk回起こる確率を表す分布。

第2問

二項分布の確率式を示せ。

解答例:

P(X=k) = nCk × p^k × (1−p)^(n−k)

第3問

試行回数 n=5、不良率 p=0.1 のとき、
不良がちょうど1個出る確率を求めよ。

解答例:

P(X=1) = 5C1 × 0.1¹ × 0.9⁴
        = 5 × 0.1 × 0.6561
        = 0.328
→ 約32.8%

第4問

同条件(n=5, p=0.1)で、
不良が「1個以下」である確率を求めよ。

解答例:

P(X≤1) = P(0) + P(1)

P(0) = 5C0 × 0.1⁰ × 0.9⁵ = 0.5905  
P(1) = 5C1 × 0.1¹ × 0.9⁴ = 0.3281

P(X≤1) = 0.5905 + 0.3281 = 0.9186
→ 約91.9%

第5問

ポアソン分布はどんなときに使うか?

解答例:

発生確率pが小さく、試行回数nが大きいとき(npが一定)。  
まれな現象の発生回数を扱うときに使う。

第6問

ポアソン分布の確率式を示せ。

解答例:

P(X=k) = (λ^k × e^(−λ)) / k!
(λ:平均発生回数)

第7問

平均 λ=2 のとき、不良がちょうど3個発生する確率を求めよ。
(e^(−2)=0.1353)

解答例:

P(3) = (2³ × e^(−2)) / 3!
      = (8 × 0.1353) / 6
      = 1.0824 / 6
      = 0.180
→ 約18.0%

第8問

平均 λ=1 のとき、不良が0個である確率を求めよ。

解答例:

P(0) = (1⁰ × e^(−1)) / 0!
      = 1 × 0.3679 / 1
      = 0.368
→ 約36.8%

第9問

ポアソン分布における平均値と分散の関係を答えよ。

解答例:

平均 = λ  
分散 = λ  
→ 平均と分散が等しいのが特徴。

第10問

二項分布とポアソン分布の使い分けを説明せよ。

解答例:

・二項分布:試行回数が小さいとき、pがそれほど小さくないとき  
・ポアソン分布:nが大きくpが小さいとき(np≒一定)

✅ まとめ

分布条件
二項分布nCk × p^k × (1−p)^(n−k)nが小さい・pが普通合格/不合格試験
ポアソン分布(λ^k × e^(−λ)) / k!nが大きい・pが小さい不良発生回数
λの意味平均発生回数(np)

📍ポイント

  • 二項分布:成功・失敗など「2択の試行」
  • ポアソン分布:まれな不良や事故など「発生回数」
  • 試験では P(X≤k) を求める問題が頻出。
  • 近似条件(np≒λ)を理解しておくと一気に実践力が上がる。

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