QC検定 計算問題

📘 第5章:「相関分析(ピアソン相関・散布図・外れ値)」計算演習10問

🔹出題形式:記述+計算過程あり
🔹目的:データ間の関係を数値・グラフで把握できるようにする
🔹時間目安:各問3分 × 10問(合計30分)


第1問

相関分析の目的を簡潔に述べよ。

解答例:

2つの変数の関係(強さ・向き)を数値で表すこと。

第2問

相関係数 r の範囲を答えよ。

解答例:

−1 ≦ r ≦ +1

第3問

r > 0 のとき、どんな関係を意味するか?

解答例:

xが増えるとyも増える「正の相関」。
例:身長と体重

第4問

r < 0 のとき、どんな関係を意味するか?

解答例:

xが増えるとyが減る「負の相関」。
例:気温と暖房使用量

第5問

r = 0 に近いとき、どんな関係か?

解答例:

xとyに線形関係がほとんどない。
(ただし、非線形な関係がある可能性はある)

第6問

次のデータから相関係数 r を求めよ。
x: 1, 2, 3
y: 2, 4, 6

解答例:

r = Σ(x−x̄)(y−ȳ) / √[Σ(x−x̄)² × Σ(y−ȳ)²]

x̄ = 2, ȳ = 4

r = [(1−2)(2−4) + (2−2)(4−4) + (3−2)(6−4)] / √[(1²+0²+1²) × (2²+0²+2²)]
  = [2 + 0 + 2] / √[(2) × (8)]
  = 4 / √16
  = 4 / 4
  = 1.0
→ 完全な正の相関

第7問

r = −1 の場合、散布図はどんな形になるか?

解答例:

右上がりではなく右下がりの直線状。
完全な負の相関。

第8問

外れ値が1つだけ大きく離れているとき、
相関係数rにはどんな影響があるか?

解答例:

rの値が大きく変化する(過大または過小になる)。  
→ 外れ値は相関分析に強く影響する。

第9問

次の相関関係の中で、因果関係があるとは言えないものを選びなさい。

  1. 気温とアイスの売上
  2. 勉強時間とテストの点数
  3. 救急車出動回数とアイスの売上

解答例:

③ 救急車出動回数とアイスの売上  
→ 共通の要因(気温)があるだけで、因果関係ではない。

第10問

相関係数 r = 0.9、決定係数 R² を求め、意味を説明せよ。

解答例:

R² = r² = 0.9² = 0.81  
→ yの変動の81%はxで説明できる。  
→ 非常に強い相関関係。

✅ まとめ

用語意味備考
相関係数 rxとyの線形関係の強さ−1〜+1の範囲
r > 0正の相関x↑→y↑
r < 0負の相関x↑→y↓
r ≒ 0関係なし線形関係がない
当てはまりの良さ(寄与率)

📍ポイント

  • 相関は「関係の強さ」、因果は「原因と結果」——混同注意。
  • 散布図を見て「線形か非線形か」を判断できるようにする。
  • 外れ値が1つあるだけでrが劇的に変化する。
  • QC検定では「rの値の解釈」や「因果誤解の選択問題」が頻出。

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