🔹出題形式:記述+計算過程あり
🔹目的:相関・回帰・残差の意味を理解し、データ関係を数値化できるようにする
🔹時間目安:各問3分 × 10問(合計30分)
第1問
データの関係を一次式で表すときの回帰式の形を答えよ。
解答例:
y = a + bx
(a:切片、b:傾き)
第2問
傾き b の意味を説明せよ。
解答例:
xが1単位増加したとき、yがどれだけ増減するかを表す。
(=変化の割合)
第3問
次のデータから、回帰直線の傾き bを求めなさい。
x: 1, 2, 3
y: 2, 4, 5
解答例:
b = Σ(x−x̄)(y−ȳ) / Σ(x−x̄)²
x̄ = 2, ȳ = 3.67
b = [(1−2)(2−3.67) + (2−2)(4−3.67) + (3−2)(5−3.67)] / [(1−2)²+(2−2)²+(3−2)²]
= [(−1)(−1.67) + 0 + (1)(1.33)] / (1+0+1)
= (1.67 + 1.33) / 2
= 1.5
第4問
上のデータで切片 a を求めなさい。
解答例:
a = ȳ − b×x̄
= 3.67 − 1.5×2
= 0.67
→ 回帰式: y = 0.67 + 1.5x
第5問
回帰式 y = 10 + 2x のとき、x = 5 のときの予測値を求めなさい。
解答例:
y = 10 + 2×5 = 20
第6問
相関係数 r = 0.8 のとき、決定係数 R² を求めなさい。
解答例:
R² = r² = 0.8² = 0.64
→ yの変動のうち64%はxで説明できる。
第7問
相関係数 r = 0 のとき、どんな関係を意味するか?
解答例:
xとyの間に線形関係がない。
(ただし、非線形な関係は存在する可能性あり)
第8問
次のデータで、残差 e を求めなさい。
観測値 y = 25、予測値 ŷ = 27
解答例:
e = y − ŷ = 25 − 27 = −2
第9問
残差がプラスとマイナスで交互に出ている場合、
どんな傾向があると考えられるか?
解答例:
直線で表しきれない「周期的な変動」がある。
→ モデルの当てはまりが悪い。
第10問
決定係数 R² = 0.95 の回帰式が得られた。
このモデルの当てはまりをどう評価するか?
解答例:
R²=0.95 → 95%の変動が説明できる。
非常に当てはまりが良いモデルと判断できる。
✅ まとめ
| 指標 | 意味 | 式 |
|---|---|---|
| 傾き b | xが1増えたときのyの変化 | b = Σ(x−x̄)(y−ȳ)/Σ(x−x̄)² |
| 切片 a | x=0のときのyの値 | a = ȳ − b×x̄ |
| 決定係数 R² | 当てはまりの良さ(寄与率) | R² = r² |
| 残差 e | 実測値と予測値の差 | e = y − ŷ |
📍ポイント
- 「傾きb」と「決定係数R²」は必ずセットで理解。
- 残差プロットに「パターン」があればモデル見直し。
- 試験では「回帰式からyを予測」「bやR²の解釈」を問う問題が多い。
- Excel分析にも活かせる実務スキル。