🔹出題形式:記述+計算過程あり
🔹目的:工程のばらつきと中心位置を定量的に評価できるようにする
🔹時間目安:各問3分 × 10問(合計30分)
第1問
ある製品の規格下限が95、上限が105、標準偏差が2のとき、
工程能力指数 Cp を求めなさい。
解答例:
Cp = (USL - LSL) / (6σ)
= (105 - 95) / (6 × 2)
= 10 / 12
= 0.83
第2問
上記と同じ条件で、工程平均が100の場合、Cpk を求めなさい。
解答例:
Cpk = min[(USL - μ) / (3σ), (μ - LSL) / (3σ)]
= min[(105 - 100) / 6, (100 - 95) / 6]
= min[0.83, 0.83]
= 0.83
第3問
規格下限が90、上限が110、標準偏差が3、工程平均が98のとき、Cpk を求めよ。
解答例:
Cpk = min[(USL - μ) / (3σ), (μ - LSL) / (3σ)]
= min[(110 - 98) / 9, (98 - 90) / 9]
= min[1.33, 0.89]
= 0.89
第4問
Cp = 1.0 のとき、規格幅(USL−LSL)は標準偏差の何倍か?
解答例:
Cp = (USL - LSL) / (6σ)
1.0 = (USL - LSL) / (6σ)
→ 規格幅 = 6σ
第5問
工程能力指数 Cp = 1.33、σ = 0.5 のとき、規格幅(USL−LSL)を求めなさい。
解答例:
USL - LSL = 6σ × Cp
= 6 × 0.5 × 1.33
= 3.99 ≒ 4.0
第6問
規格上限105、下限95、平均101、σ=1.0 のとき、Cpk を求めなさい。
解答例:
Cpk = min[(USL - μ) / (3σ), (μ - LSL) / (3σ)]
= min[(105 - 101) / 3, (101 - 95) / 3]
= min[1.33, 2.00]
= 1.33
第7問
Cp = 1.0、Cpk = 0.67 の場合、工程の状態を説明せよ。
解答例:
Cp = 1.0 → 規格幅と工程幅がほぼ同じ。
Cpk = 0.67 → 工程が中心からずれている。
つまり、ばらつきは良いが、工程平均がずれている。
第8問
Cp = 1.67 の工程があった。
このとき「6σ品質」(不良率3.4ppm) に達しているか?
解答例:
6σ品質に達するには、Cpk ≧ 2.0 が目安。
→ Cp = 1.67 は未達。
第9問
規格:100 ± 6、標準偏差 σ = 1.0 のとき、Cp を求めなさい。
解答例:
USL = 106, LSL = 94
Cp = (USL - LSL) / (6σ)
= (106 - 94) / 6
= 12 / 6
= 2.0
第10問
工程の目標値が100、規格上限104、下限96、標準偏差1、平均が98のとき、Cpk を求めよ。
解答例:
Cpk = min[(USL - μ) / (3σ), (μ - LSL) / (3σ)]
= min[(104 - 98) / 3, (98 - 96) / 3]
= min[2.00, 0.67]
= 0.67
✅ まとめ
| 指標 | 意味 | 理想値 |
|---|---|---|
| Cp | 工程のばらつき(能力) | 1.33以上 |
| Cpk | ばらつき+中心のずれ考慮 | 1.00以上 |
| Cp = Cpk | 工程が中心にある | |
| Cp > Cpk | 工程がずれている |
📈 ポイント
- Cpは「ポテンシャル能力」、Cpkは「実力値」。
- 品質改善ではまず**工程の中心化(Cpk向上)**が先。
- QC検定では、Cpk計算の“min”をどちら取るかが落とし穴です。