🔹出題形式:計算+理論理解
🔹目的:母分散が未知の場合の平均の推定・t分布の理解
🔹時間目安:各問3分 × 10問(合計30分)
第1問
確率密度関数(PDF)とは何か?
解答例:
連続データの分布を表す関数で、ある値の近くにデータが存在する確率の“密度”を示すもの。
→ 面積で確率を表す。
第2問
確率密度関数の性質を2つ挙げよ。
解答例:
① f(x) ≥ 0(常に非負)
② 全範囲の面積 = 1
第3問
標本から母平均を推定する際、母分散が既知の場合はどの分布を用いるか?
解答例:
正規分布(Z分布)
第4問
母分散が未知の場合に用いる分布は?
解答例:
t分布(スチューデントのt分布)
第5問
t値の計算式を示せ。
解答例:
t = (x̄ − μ) / (s / √n)
(s:標本標準偏差)
第6問
n=10、x̄=52、μ=50、s=3 のとき、t値を求めよ。
解答例:
t = (52−50) / (3 / √10)
= 2 / (0.9487)
= 2.11
第7問
上の結果(t=2.11)で、有意水準5%、自由度9のとき
t₀.₀₂₅ = 2.262 とする。
このときの判断を述べよ。
解答例:
|t| = 2.11 < 2.262 → 棄却できない
→ 有意な差はない(偶然の範囲内)
第8問
t分布の特徴を2つ挙げよ。
解答例:
① 正規分布に似た左右対称の形
② nが大きくなるほど正規分布に近づく
第9問
標本平均 x̄ = 100、s=10、n=25 のとき、
母平均の95%信頼区間をt分布(t₀.₀₂₅=2.064)で求めよ。
解答例:
信頼区間 = x̄ ± t × (s / √n)
= 100 ± 2.064 × (10 / 5)
= 100 ± 4.128
→ [95.872 , 104.128]
第10問
t分布を用いる理由を説明せよ。
解答例:
母分散が未知の場合でも、標本の分散を使って推定できるようにするため。
→ 小標本でも信頼区間や検定が可能。
✅ まとめ
分布 | 使用条件 | 式・特徴 |
---|---|---|
正規分布(Z) | 母分散が既知 | Z = (x̄ − μ)/(σ/√n) |
t分布 | 母分散が未知 | t = (x̄ − μ)/(s/√n) |
自由度ν | n−1 | nが大きいとZに近づく |
信頼区間95% | x̄ ± t₀.₀₂₅ × (s/√n) | t表から値を読む |
📍ポイント
- t分布は「少ないデータでも使える正規分布の兄弟」。
- 母分散がわからないときは、s(標本標準偏差)で代用。
- 試験では「tとZの使い分け」が頻出。
- 自由度n−1、t₀.₀₂₅=2.262(n=10前後)は覚えておくと便利。